自動組版システム導入で制作期間の短縮を実現
「東進ハイスクール」「東進衛星予備校」を全国展開する株式会社ナガセの出版事業部(東進ブックス)が発行する大学受験用情報誌の一つに『新大学受験案内』があります。大学別の概要や入学試験の募集要項をまとめた年度版の情報誌で、最新刊『2022年度版 新大学受験案内 夢をかなえる190大学』はオールカラーで約1700ページに及びます。
2008年度版(2007年発行)では編集者やライターが大学ごとにテキストや写真を作成し、印刷会社ではオペレーターがそれを元に手動でDTPのデータを作成、その後の修正・確認作業は編集者と印刷会社の間で原稿のやり取りを行って完成させていく従来のスタイルでした。
同書立ち上げ当初は、発売日(配本日)は新学期が始まる前の3月1日が営業的にはベストとされる中、秋以降に情報収集が集中し、原稿作成や確認作業の手間が膨大となるため、納期遅延が常態化し、ビジネスチャンスを逸してしまう形となっていました。印刷会社選定の条件として株式会社ナガセ様からは「納期に間に合うように工程を組んでほしい」という強いご要望をいただいていました。
原稿入力から誌面確認をインターネットで完結
当社は原稿フォーマットの詳細や業務の流れを詳細にヒアリングした上で、最終的にデータベース(DB)と連動する自動組版システムの導入を提案しました。
このシステムでは、編集者やライターがWeb上の画面から原稿を入力・修正するだけで、組版されたPDFがWeb上に自動生成されるため、即座にゲラを確認できます。
これにより印刷会社とのやり取りにかかる時間を大幅に短縮するだけでなく、時間や場所に縛られることなく作業を進めることも可能としました。作業工程の短縮に伴い、質の追求にも時間をかけられます。
短納期化によりボリュームアップが実現。編集者の負担も軽減。
新ワークフロー導入前と比べて原稿作成・入稿〜校了までの期間が当時は1年以上かかっていたものが現在は約3.5ヵ月に短縮、ボリュームは逆に約1300ページから約1600ページに増えています。納期も3月1日の発売(配本)を実現し、同カテゴリーの書籍でのシェアを伸ばしています。
また、毎年改良改善を重ね、ユーザーインターフェイスについてもWeb上の入力画面を実際のレイアウトに近い形にすることで仕上がりがイメージし易くなり、文字数のカウンター機能を付加するなどより使い易いスタイルを実現しています。
「期日どおりに発行できるようになったことがありがたい」
「作業工程が短縮できて最新情報をぎりぎりまで拾えるようになった」
「印刷会社とのやり取りが少なくなって編集業務に集中できるようになった」
などお客様からも感謝のお言葉をいただいています。
今後はさらにワンソースマルチユースのメリットを活かし、DB上の最新の原稿をムックやWebに転用していくことも可能です。
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